生体肝移植

どのチャンネルも男子誕生に賑わってる。目出度いけど、今日みたいな日は
スカパーが役に立つ。


昨日、おとんに暴力を振るった後に船越英一郎のドラマを見たけど
何かなぁ・・・タイミングとはこういうものだなと言うか何と言うか。

おとんは、くも膜下の輸血でC型肝炎になり、肝硬変、肝臓癌になった。
癌細胞はエタノールで殺したけれど、相変わらず腫瘍マーカーは高い。
あのドラマのように、去年の暮れ、食道動脈瘤で入院し、正月も居なかった。
その事も、私が実家に足を運ぶようになったきっかけの1つにもなったんだけど。

肝臓移植はもちろん家族でも考えた。
ただ、うちの家族は血液型が全員違う。
それと一番の問題は、お金だった。
今でこそ数千万もかからないけど、それでも500万くらい要る。
入院費、治療費、通院費・・・一人じゃない、二人分。
現実はドラマのように甘くない。
あのドラマのように、肝臓をあげる、あげないの前に、
問題はもっと一杯あるんだよね。

少し前、父親はあと5年だと医者に言われた。
それ以来、何かある度5年、5年と口にするようになった。
冗談もおふざけも、たまに過ぎるおとんだけど、
やっぱり優しくしてあげたいと思うし
私の病気の事を気にかけて、気をもんで欲しくない。
親だからそうはいかないとわかってても。

なのに、昨日やっちゃったので、かなり凹んだ。
おかんにメールしといたけれど。
冷静になればなるほど、何て事を・・・と思う。


病気の家族を持った家族もまた、すごくしんどい。
普通でいる事、許す事、見てる事、出来る事、出来ない事。
努力しても出来ない日がどうしてもあるんだよね。

今日は無理って思ったら、私は帰らないだけだけど、おかんは違う。
そのおかんもまた病気だから、私の事もわかってよ・・・と言う。
私も同じように、しんどい日もある。聞けない日もある。
だからみんなバラバラになる日がたまにある。

壊れかけるんだけど、何かがきっかけでまた戻る。家族だもんね。
そんな事の繰り返し。
きっと前世で私達の先祖は何か悪さをしたんだと、良く思う。
私は、輪廻転生を信じてるから。

ニュースで何人かのうちの一人が殺されたとか、飛行機落ちて、
助かった人がいたとか、たまたま乗り遅れたとか、そんなん聞くと、
よく思うんだ。宿命ってあるんだなぁ・・・って。
当事者じゃないから、そう思うのかもしれないけれど。

私ら家族も何らかの宿命を背負って生きてるし、そんな人は一杯いると
思うけど、その中で精一杯生きるしかない。
恵まれた環境の人のみが生きる事を選べる。その余地がある。

おとんに肝臓はあげられないけど、ドナーカードは随分前から持ってる。
親は反対して保護者の欄にサインはしてくれなかったけど、
それも矛盾してるなぁ・・・って思う。
私は、生きてるうちに誰かのために役に立てるなら立ちたいけど
もしそれが出来なかったら、死んでから誰かの役に立ちたいと思う。
こんな体ですが使えるものがあるならどうぞ何でも持っていって下さいと。
すごく単純だけど。

生きてるのに骨髄とかはやっぱり怖い。家族なら別だけど。
血が薄くて献血も出来ない。
生きてるけど、ほんの少しあげれるとしたら寿命ぐらいかな。
5年しかないとして、5年はあげられないけど、半分くらい大切な人にならあげる。
でもあげられない。そんな取引が出来る寿命銀行でもあればいいのに。

昨日は色々と考えさせられた1日でございました。
過ぎた事を悔やんでも仕方ないので反省してまた優しくなろう。